つい最近まで、人混みの中、自分だけ一人で食事をしたり飲んだりするのを恥ずかしく思う人が多かったように思います。社会的地位を問わず、何とかそうしたシチュエーションを避けようとする人が大半だったのではないでしょうか。一人でいるのを見られたくないがために、公共の場ではトイレで隠れるように食事する、ということも起こっていたようです。ですが今日では、この状況は急速に変わっていっています。

世界的には保守的な社会として知られる日本ですが、現代の日本はかってないほどのスピードで変化しており、日本人は現代社会で最もリベラルなトレンドを取り入れるようになりました。東京や大阪をはじめとする大都市は、欲しいものを何でも与えてくれるコンクリートジャングルといったところです。そして、自分一人で活動したい人が増加傾向にあることから、市場もいち早くそれに合わせ、さまざまな製品やサービスを提供するようになりました。その様子を以下でお伝えしましょう!

おひとり様専用バー

ナイトライフを一人で楽しもうという若者も増えています。それは、いわゆる「おひとり様専用」のバーが増えていることからも分かります。おひとり様専用といっても、エンターテインメントに特化した施設であり、他のバーやディスコとほとんど変わりはありません。唯一の違いは、一人でなければ入店できないということです。おひとり様専用バーは、他の人を連れて入る店ではないのです。店の中で新しい人と出会える、というのがポイントなのです。オープン当初はあまりヒットしませんでしたが、現代ではこうした独身者向けのバーは非常に人気があり、大都市なら全国至る所に存在します。

「おひとりさま」現象

多くの人類学者や社会学者がこの現象に気づいています。特別な名前も付けられました。「おひとりさま」という言葉は、できるだけ一人でいたいという人たちのことを指す言葉として、今ではよく使われています。こうした独身の人たちの大半が、結婚すら望んでいないといいます。ただひたすら独身生活を満喫し、都会でしか味わえない楽しみを謳歌しながら街を闊歩しているのです。おひとり様専用バーやレストランの利用者が増えていますから、今後は「おひとりさま」向けの製品やサービスもますます多様化することが予想されます。

引きこもり問題の解決

現代社会における最大の問題の一つとして、社会生活をあきらめ、永久に引きこもってしまう若者が増えていることが挙げられます。こうした若者はしばしば「引きこもり」と呼ばれ、自分の部屋にこもって食事をし、ただテレビを見たり、テレビゲームをしたり、ネットサーフィンをしたりして日々を過ごしています。将来の計画があるわけでもなく、その多くは重度のうつ病に悩まされているといいます。

独身者が自由時間を一人で楽しむ機会が増える中、この傾向が、孤立した若者たちに現実の生活に復活するチャンスを与えるきっかけとなるかもしれない、と期待する専門家もいます。よく知られたおひとり様専用バーで1、2杯飲んでいるうちに、ポジティブな出来事の連鎖が始まり、人生を完全に変えてしまうような機会もできるかもしれない、と期待されています。